2020年の東京オリンピックを楽しみにしている人も多いだろう。前回1964年東京オリンピックの時は、わたしは中学生だった。学校から東京オリンピック観戦に行った。国立競技場でサッカーを観戦した。当時はサッカーという競技がどういったものか知らなかったし、高いところから選手が豆のように動いているのを眺めていただけだが、わくわくと興奮した記憶がある。この時の感動を今の世代に味わって貰いたいとも思う。
ただ、素直にそう思えない現実がある。福島原発事故が未だ収束しておらず、放射能被害が未だ拡大し続けている。2020年頃には、世界中が安倍晋三首相の嘘を問題にするようになるのではないかと思っている。
月刊日本1月号掲載のインタビュー記事で、村田光平元駐スイス大使も次のように警告している。
■再び言う、オリンピックからの名誉ある撤退を
―― 福島原発事故により拡散を続ける放射能被害に対する海外の懸念が高まる中、何事もなかったかの如く東京オリンピックを開催できるとは思えません。
村田 私はIOCのバッハ会長に福島の現状について書簡を送り続けています。先日、バッハ会長から返信もいただきました。彼らもこの問題に関心を持っていると思います。
というのも、IOCに対しては、各方面から福島原発事故が本当に「アンダーコントロール」されているのか確認してほしいという要請が出ているからです。ヘレン・カルディコットさんという医学博士は、1年半前からIOCに対して日本へ中立的な科学者を送り確認することを求めています。
それ故、もしIOCがこのまま何も動かなければ、非難の矛先がIOCに向かう可能性があります。そのため、IOCとしても、保身のために何らかの行動を取らざるを得ないと思います。
しかし、IOCにとり一番好都合なのは日本による自主的返上です。その実現を狙って全ての公約を反故にした日本に対し失格の判定を下す可能性をほのめかすことが考えられます。
こんな屈辱的な仕打ちを受けるくらいなら、日本は自らオリンピックから撤退した方がいいことは自明です。私が「オリンピックからの名誉ある撤退」を訴えているのはそのためです。
事故対応に全力投球をしない地球環境加害国という汚名を返上するために、また、被災地の人たちのためにも、日本はオリンピックを返上し、事故の収束の解決に最大限の力を注ぐべきです。
金森
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