他人事とは思えない記事を目にしたので紹介する。
火炎瓶投げた容疑者も 団塊世代を襲う"妻との別離ロス"
http://www.nikkan-gendai.com/articles/view/life/187505/
日刊ゲンダイ
東京・杉並区であった夏祭りで火炎瓶が投げ込まれ15人が負傷した事件で、自殺した68歳の容疑者は、数年前に妻を亡くして独り暮らしだった。近所には「毎年のサンバがうるさい」とグチっていたという。自宅からは小型無人機ドローンとボーガン(洋弓銃)も見つかっている。
妻と死別した途端、生きる気力を失う男は少なくない。急に老け込み、抜け殻のようになったりする。そのメカニズムについて、新潟青陵大教授の碓井真史氏(社会心理学)がこう言う。
「男性は、妻との別離で日常がガラリと変わってしまうのです。家事はもちろん、親戚や近所との付き合いも分かりません。そのすべてが負担になり、"終わりにしたい"と思ってしまう人も少なくないのです。定年退職で会社を辞めた場合も同じ。"社会的絆"がなくなると、人間関係の中で不安や不満を募らせたときの歯止めが利かなくなります」
特にモロいのが団塊世代の男たちという。時代の変化に対応できず、右往左往している。
「いまの60代後半からの団塊世代は、自身が子どもだったころは大家族が当たり前でした。祖父や父親は家族や地域から一目置かれ、家庭では妻や子からも敬語で話しかけられた。おかずも一品多いし、テレビのチャンネル権も握っていたのです。男にとっての"古き良き時代"を知っている分、"男性"であることへのプライドは高いので、半面、変化に弱いといえます。核家族化が進み、経済状況も不安定な時代に対応しきれない。それなのに『一家の主だ』『お年寄りはもっと敬われるはずだ』という思いだけは強いのです。今回のお祭りのように、自分たちの時代になかった"理解できない文化"もなかなか受け入れられません」
彼らは「今はこういう時代だから」と諭されるのがストレスになるという。お盆の帰省で、老親に言ってはいけないフレーズである。
金森
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