犀川の外側、にし茶屋街から犀川大橋を渡る。最初の信号を右に折れると直ぐに鰯組がある。ここの「はるちゃん」とは知り合って随分と長い。
にし茶屋街から犀川から逆方向に少し行ったところ、忍者寺妙立寺の裏辺りに「香林」という寿司屋があった。片町から少し歩かないといけないが、安くて美味しいことから東京や横浜からの人もよく連れて行った。20年以上前の話である。
はるちゃんはこの香林のカウンターの中で料理を出したりわたしたちの相手をしてくれていた。その中でも太巻きは季節の魚が惜しみなく入って、コースターを二周り位太くした圧巻の太さで美味しさも抜群だった。
はるちゃんはまだ寿司は握らせてもらえないけど、きゅうり巻きは作らせてもらえるようになっていた。わたしは「はるちゃん巻」と呼んでいた。
ところがある日、横浜から人が来るということで、いつものように予約しようと店に電話した。しかし誰も出なかった。後日も電話したのだが出ない。店の前に行ってみたところ「臨時休業」との張り紙があった。かなりしてから、風の便りで親方が交通事故で急に亡くなり店を閉めたと知った。
十年ほど前だったろうか。たまたま鰯組に入ったとき、カウンターの中にはちゃんがいた。彼女もわたしのことを覚えていてくれた。以来今でも金沢の友人たちと時たま鰯を食べに行く。
香林の頃、はるちゅんはシングルマザーで幼い子と二人で暮らしていると話していたのを覚えている。娘さんも随分と大きくなったことだろう。はるちゃんは鰯組のカウンターにいる親方と息が合ってていい感じだ。でも一緒になったのかどうかは知らない。聞かないことにしている。
下の動画は鰯組で撮った写真のバックに親方が歌う「ありがと酒場」を流した。
金森
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