祇園白川の巽橋から四条通を八坂神社へと歩く。途中にある鍵善良房本店で「くずきり」を黒蜜で食べるのが、祇園に来た時の楽しみに一つになっている。
くずきり 鍵善良房本店 京都祇園
店内には武者小路実篤が毛筆で書いた屋号の額があったりする。文化人もよく訪れるようだ。
多くの文筆家や歌人の方々が店や菓子について書いてくださいました。「くずきりは京の味の王者だと思う」という水上勉さんの名文や、「むかし祇園祭にあでやかな女人たちが、それぞれに装いをこらした行列『園の賑わい』がありました」から始まる、岡部伊都子さんの随筆。また、歌人の荻原井泉水さんによる銘「甘露門」は、菓子店をうまく表現していただいたと思い入れの深いものです。(鍵善良房のHPから)
ただ、来るたびに「くずきり」の値段が高くなっている。最初は800円位だったと思う。高いと思っていたのだが、900円になり、今では1000円になっている。
鍵善良房を出て、八坂神社から円山公園を抜けて、知恩院通に出る。三門から知恩院に入ったが、御影堂などには行かず、阿弥陀堂の横を華頂道の山門へと歩いた。たまたまこの日は、知恩院で仏教大学の入学式があり、多くの学生とすれ違った。
知恩院三門 京都東山
華頂道の山門から神宮通に出て、青蓮門院を右手に見ながら平安神宮の赤い鳥居へと歩いた。仁王門通を交差点南禅寺門から車を駐めている南禅会館に戻った。
青蓮門院長屋門 京都東山
南禅会館を出たのが午後3時頃と思う。家に帰って晩酌したのが午後8時頃だったか、長い一日が暮れた。
金森
地下鉄丸太町駅と今出川駅の中程に「喫茶 茶の間」がある。昭和41年開業で、店内は昭和レトロな雰囲気が漂う。若いころにタイムスリップしたような懐かしさを覚える。朝食にと評判のビーフカレーを注文したのだが、カレーは前日に余れば、モーニングで出しているそうだ。残念ながら昨夜は完売してしまったとのことだった。
モーニングのホットドッグ 喫茶茶の間 京都上京区西鷹司町
車は、南禅会館に車を預けて、蹴上駅で地下鉄に乗って、6日から始まった京都御所の一般公開を見学にきた。地下鉄一日乗り放題600円のカードを買って京都を巡ることにした。
御所を見学した後、地下鉄で北山駅に出る。北山通を鴨川へと歩く。府立植物園の横、鴨川沿いを北大路通に向かって歩く。この川沿いの道は「半木(なからぎ)の道」と呼ばれており、枝垂れ桜でトンネルになっている。
北大路駅から地下鉄で三条京阪駅に出て、三条大橋を渡って三条通から木屋町通を高瀬川沿いに、四条通へと歩く。桜は見頃で満開だった。
四条通に出たところで祇園方向へ四条大橋を渡る。祇園白川を巽橋へと歩いた。
京都に来ると、トレッキングでもしているように、本当によく歩くことになる。
金森
夜が明けて滋賀は琵琶湖近くの「清水の桜」、「海津大崎の桜並木」と「三井寺の桜」。京都では「岡崎疏水の桜」、「蹴上インクラインの桜」、そして「南禅寺の桜」。桜で胸いっぱいな長い一日が暮れていく。
南禅寺の三門から降りて、宿の南禅会館に入ったのは午後4時前だった。午後6時に風呂に入って身体を温め夕食にした。実は前日に金沢駅で、宿での夕食にと思い富山の「ますの寿し」と、晩酌に日本酒、肴に「干しホタルイカ」を買って持ってきていたのだが、隣の京とうふ料理で有名な「順正」で、肴にもう一品、たけのこの佃煮「きりしま」を買ってきた。
御所泉の原酒はアルコール度20度と日本酒にしては度数が高いのだがグイグイと呑めてしまった。
吟醸原酒 御所泉 武内酒造店(日本で一番小さい酒蔵と言われている) 金沢
きりしま たけのこの佃煮 京都南禅寺順正
干しほたるいか 四十萬谷本舗
日もどっぷりと暮れ、部屋にはテレビもない。ほろ酔い気分で、夜桜見物に岡崎疏水、円山公園、八坂神社と、京都の町を歩いた。桜で満腹の一日になった。
金森
滋賀の三井寺を出て、京都南禅寺の宿坊、南禅会館に着いたのが午前11時半頃だった。南禅会館には素泊まりで予約している。チェックイン前ではあるが、車は無料で駐車して置ける。
神宮通にあるうどん屋で昼飯にしようと思っていたので、仁王門通を岡崎疏水沿いに歩いた。川面に映る満開の桜が綺麗だったが、腹が減っては戦はできぬということで、目当てのうどん屋へと急いだ。ところが、うどん屋には既に長蛇の列が出来ており、そうとう待たねばならない。待つの耐えれないので次の店を探すことにした。
どこをどう歩いたか、東大路通を八坂神社方向へと歩いて知恩院の参道華頂道と交差する辺りで、吉祥菓寮を目にした。店の名前からしてお菓子屋のようだが、ランチもあるとあった。並んでいる人もいなかったので、ここでランチにした。京都らしいもと思い「とろ湯葉とちりめん山椒のだし茶漬け」を注文した。
腹ごしらえの後、岡崎疏水沿いに桜を楽しみ、インクラインを歩いて南禅寺の奥にある鐘楼に出て、南禅寺の三門へと桜を愛でながら歩いた。
とろ湯葉とちりめん山椒のだし茶漬け 吉祥菓寮 祗園本店
金森
今年の桜は例年より早めのように思う。
4年前2011年に京都醍醐寺の桜を観てきた。桜の時期の京都は凄く混んでいるし宿泊費も高いので大津の琵琶湖湖畔にあるホテルで泊まるった。
ホテルからJR大津駅へはホテルのバスが送迎してくれた。大津駅から電車で京都に出て、醍醐寺への向かった。
桜は満開を過ぎて散り始めてはいたが、散り際の桜もなかなか良いもので、今でもその時の光景が印象深く思い出される。
金森
京丹後久美浜に「時空を超えるポスト」があった。ポストの説明には「あなたのメッセージを未来へ届けてみませんか?例えば1年後のご家族に、3年後のお友達に、5年後のあなたご自身に...。お正月にお届けします。」とあった。
例えば、今日(平成27年)に投函した絵葉書を、一年後の口に投函すると平成29年正月に、三年後の口に投函すると平成31年正月に、五年後の口に投函すれば平成33年正月に宛先の住所に配達するということだった。
久美浜は北前船の寄港地であり、この地の廻船問屋が「豪商稲葉本家」だ。「時空を超えるポスト」は、この稲葉本家にあった。
稲葉本家も北前船で財を成したようだ。「稲葉本家は、織田信長家臣、美濃の稲葉一族の末裔と言われ、この久美浜の地にて糀製造で得た富を背景に廻船業を営み、沿岸交易によって巨富を得、付近諸藩の金融を独占するほどの豪商でした。」(豪商稲葉本家HPから引用)
先の記事で紹介した能登天領黒島角海家も廻船問屋として財を成していた。このように廻船問屋として財を成した豪商は北前船の寄港地に多いようである。それら豪商の家の柱や張り、欄間などは、綺羅びやかさはないが、しっかりとして贅を尽くした造りになっている。食器も有田焼や九谷焼、輪島漆器などを使っており、当時の裕福な生活がうかがえる。
金森
京都四条の高島屋の地下で晩酌の日本酒と肴を買ってホテルに帰った。
何時もは大丸の地下で京都の地酒を買っていたのだが、前回京都に来たときに、たまたま高島屋の地下のパン屋のベックで買ったフランスパンが安くて美味かった。そこで、今夜の夕食と明日の朝食はパンにしようと、先ず高島屋のベックに向かった。ベックはイタリアのパン屋だ。一番お得なフランスパンを買った。売れられいるままのフランスパンを手でちぎって食べるのは大変なので、手頃な大きさにスライスしてもらった。
酒と肴にするハムはいつも大丸地下で買っていたのだが、面倒になってこのまま高島屋で買うことにした。酒売り場の店員さんが推薦してくれた京都の地酒、冷えている京伏見齊藤酒造の「英勲 しぼりたて生原酒」を買い込んだ。肴にしょうとハム売り場を聞いたら、店員さんが売り場まで案内してくれた。
お徳用のハムセットを買うことにした。ただボンレスハムは塊のままかぶりつのはチト辛いと言ったらスライスしてくれた。
肴はもう一つ。ネットで買ったパルミジャーノチーズを家から持ってきていた。ここのところ、日本酒の肴にパルミジャーノチーズにハマっている。
金森
市バスのバス停を清水道で降りた。「きよみずみち」と呼ぶ。
清水寺に行くには「五条坂」で降りるのがよさそうだが、寄りたい所もあって、あえて「清水道」で降りた。
清水道から脇道を五条坂に出る。清水寺には改修工事が終わってから寄ろうと思う。五条坂らか松原通を左手に三年坂を下りた。
この坂道は古都を感じさせる風情があり、京都を代表するお土産屋さんが軒を連ねている。
金森
京都祗園の北側の白川に架かる橋が巽橋で「たつみばし」と云う。京都の観光パンフレットでもよく紹介されている京都を代表する町並みの一つだ。京都に来た時にはよく寄る場所の一つでもある。
巽橋の向かいには、祇園の舞妓さん、芸妓さんが芸事の上達を願って訪れるという辰己大明神がある。
この場所で舞妓風の化粧をした舞妓姿の女性が人力車に乗って観光している姿をよく見かける。また、新婚と思われるカップルが白川や巽橋を背景に、プロのカメラマンに写真を撮ってもらっている光景を目にすることも多い。
巽橋は観光名所の一つでもあり、祇園の町のひと達が大切にしている場所でもある。
雰囲気が、どことなく、金沢のひがし茶屋街に似ているように感じる。
巽橋から白川南通沿いを四条通に出て四条大橋を渡る時、鴨川下流五条方向を望んだ。そして「辰むら」で昼ごはんにした。
金森
宿は草津のホテルにして新快速でJR京都駅に出た。
JR京都駅は古都の玄関口。神社仏閣をモチーフにして古都をイメージしたデザインでもよさそうなものだ。しかし古都を連想するものはない。
京都のひと達は保守的というよりも、どちらかと言えば革新的だと思っている。
古いものを守り続けるということは革新的であり、古いものを衰退させないためには革新的でなければならないということだろう。
今月末にネットのポイントが消滅してしまう。それは勿体無いということで、京都を散策することにした。土日の宿は一杯なので平日に京都の宿坊を予約していた。
ところが天気予報が月曜日から崩れると変化してきた。雨では興醒めする。しかし京都では土曜日は車を無料で車を留めておける宿などはない。
草津のホテルに宿泊して電車で京都に行くことにした。草津から京都までは20分で行く。草津駅前にあるクサツエストピアホテルがツインで一泊四千円ちょっとで予約できた。チェックインしたらデラックスツインに空きができたということで無料で変更してくれた。車の駐車も終日無料だった。
クサツエストピアホテル