京都東山清水寺から三年坂、二年坂を下り、八坂神社から祇園へと。そこそこ歩いて少し休みたいと思った頃合いに「鍵善良房」の前にいた。ちょっと目、高そうな料理屋のように見えたが何の店か分からなかった。たまたま店に入ろうとしている客がいて、簾を手で払っていた。その暖簾の隙間から店内をのぞいた。どうも和菓子屋のようで、奥に喫茶があるようにも見える。
私たちも迷わず暖簾をくぐった。くづきりの美味しい店だった。店内では席が空くのを待つ行列ができていた。
いまでは、京都を散歩するときの足休め処の一つにしている。
「鍵善良房」のHPの中にある店の紹介文の一部を引用した。後は、「鍵善良房」のHPを見てもらえればと思う。
http://www.kagizen.co.jp/about/culture/
「鍵善良房」の創業は江戸の享保年間。京都の花街・祇園の一角で京菓子をつくり続けております。一般のお客さまを始め、茶人や僧侶の方々に菓子を供してきましたが、祇園という場所柄、お茶屋や料亭に出入りする文人墨客や旦那衆、さらには花街の女性たちにも広く好まれてまいりました。
「鍵善」の菓子のありかたは、今も昔も変わりません。吟味した素材を、代々伝わる製法で、職人が手でつくる。ていねいに、こまやかに。お客さまに喜んでいただけるよう、たしかな「鍵善の味」を日々心がけております。
古い歴史を持つまち、京都。平安朝から続いた都では、絵画に和歌、能や茶の湯などの文化が栄えてきました。そのなかで、京菓子は切磋琢磨され、高度に洗練されてきたのです。豊かな四季の移ろいや、日本の美を映しだす京菓子は、愛らしい、食べる宝石。その魅力は菓子そのものにとどまりません。箱や掛け紙、栞などの意匠もあわせて、初めて完成するのです。京菓子はそれ自体がひとつの文化と言えましょう。
新しいアイデアの引き出しは充実させつつ、長い歳月のうちにつくりあげ、伝えてきた味を、洗練されたありかたを伝え続けたい。そして、五感で楽しんでいただきたい。「鍵善」の菓子で、みなさまの暮らしを少しでも潤すことができましたら幸いです。
金森
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