爽やかな朝だった。地鶏の卵や自家製の梅干など、いろいろと美味しいおかずで朝食をとった後、ペンションを出発した。少し行った坂道からペンションを見ると、おばちゃんが手を振って見送ってくれていた。短くクラクションを鳴らした。小さく「行ってきます」とつぶやいて、ペンション自給自足を後にした。
最初の日、宮津に予定通り着いていれば、最初に見に行こうと思っていた「金引の滝」に行くことにした。実は、ここも事前に調べた地図では、道が途切れていていた。多少不安に思いながら、車を進めた。
確かに、車が一台しか通れない細い道が続いていた。金引の滝に通じる入り口らしきところからは車を降りて歩かないといけない。とは言うものの上り口には駐車場はない。何処に車を止めておけばよいのか周りを見渡したところ、少し上ったカーブの所に、車を止めておけそうなスペースがあった。早速、そこに車を止めて、金引の滝へと歩き始めた。
少し登ると、大おきな岩面をつたう滝が見えてきた。「金引の滝」である。滝壺のすぐ下まで歩いていける。
うっそうとした森の中に、太陽の光が差し込み、光のカーテンを作る。その中に岩面を幾重もの水の糸が滴り落ちる。絶え間なく落ちる水の音が、木々の隙間に吸い込まれていく。
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