米国オバマ大統領が「核兵器の先制不使用政策」を検討しているとのことである。「ワシントン・ポスト」(8月15日付)の記事によれば、安倍首相は「核兵器の先制不使用政策」に反対する旨を伝えているとのことである。もし、安倍首相が当該政策の推進に賛成していれば、広島でのスピーチでもこの政策をアピールしたことだろう。
日本は世界で唯一の被爆国である。それにもかかわらず、日本のリーダである安倍晋三首相は「核兵器の先制不使用宣言に反対であるどころか、日本の核保有を目指している」のには驚かされ、恐怖すら感じる。
これらの根本にあるのは「米国の核の傘」という考えである。
日本政府は、日本の安全保障の根幹は日米安保条約であり、核抑止力を含む拡大抑止力(核の傘)に依存しているとの考えを米国に重ねて伝えている。先制不使用政策が導入されれば、「核の傘」にほころびが出ると懸念する声がある。
(安倍首相:核先制不使用、米司令官に反対伝える 米紙報道 - 毎日新聞より 2016/08/16)
じゃ、「核の傘って本当にあるのか」という素朴な疑問がある。
仮に安倍晋三政権と中国との緊張が高まって、中国が日本を攻撃した場合、米国は日本を守るために米国陸軍や海軍を派遣するだろうか。多分、米国が軍隊を派遣するのは、日本本土での戦闘になってからだろう。今日本に駐留している海兵隊は特殊攻撃部隊であり国を守るといった任務は担ってない。
もし、中国が日本に侵攻したとしても、米国は中国に向けて核ミサイルは打ち込まないだろう。米国が日本を守ると言って中国に核ミサイルを発射すれば、中国は米国に向けて核ミサイルを発射することになる。冷静に考えれば素人のわたしでも分かる話だ。
「核の傘」などは幻想、日本の願望でしかない。安倍晋三首相が日本が核武装するための出汁に使っている言葉でしかないだろう。毎日がエイプリルフールの安倍晋三語録の一つだ。
暴力で暴力を押さえることなどできないことは歴史が証明している。戦後71年間、日本の平和を守ってきたのは「日本国憲法」であり、主権在民とした立憲主義だと思う。
安倍晋三首相の暴力、権力で世の中を治めようとする軍国主義では、日本の平和は守れない。
金森