リストラ アベノミクス不況

先日、横浜の会社で一緒だった友人が金沢に遊びにきた。一人は今でもその事業所で働いている。もう一人は関連会社に出ている。彼らは、私が金沢の子会社に移ってからも、仕事を出してくれていた。お陰で金沢や富山での仕事がなくても横浜からの仕事で食っていけた。

私は、横浜の会社では、コンピュータの基本ソフトウェアを開発していた。当時は、神奈川県下に、スーパーコンピュータなどのメインフレームのハードを開発する工場やハードディスクなどの周辺機器を開発する工場、通信機器を開発する工場が点在していた。わたしが働いていた工場だけでも関連会社の人たちも含めて4000人近くの従業員が働いていた。工場といってもソフトウェアの開発(プログラムの作成)であり、主にデスクワークである。

これら事業所は、リーマンショックやITバブル崩壊での不況を乗り切るために、リストラで他社に売却されたり併合されたりしている。今では昔の面影はなく、事業所も一つになっているようである。そんな中でも、私がいたソフトウェア開発部門はリストラによる人員整理、希望退職者の募集などはしてこなかった。

しかし、今回のアベノミクス不況では、とうとう希望退職者を募るリストラに踏み切ったようだ。横浜から遊びに来た彼の話しでは、800人超えの中間管理職が退職者募集に応じているようである。新聞やテレビなどでは報道されていないが。

関連会社に出た彼の会社にも退職者を引き取らないかと打診されているそうだ。しかしそんな余裕はないので、断ろうと思っているとのことだった。

中間管理職が800人退職するということは、それにぶら下がっている関連会社の仕事もなくなる事を意味している。

確かに、私が働いていた金沢の子会社も、子会社の子会社、孫会社になり、ビルも移って資本関係も無くなっている。

そんな折、興味深い3つの記事を目にした。一部を転載して紹介する。

「問題なのは中流以上のポジションにいて危機感の希薄な人たちだ。『ふーん、世の中にはこんな貧乏人がいるのか』『こんな稼ぎで恥ずかしくないのかね』『自分の毛並み、経歴は一級品。間違ってもこんな惨めな人間に落ちぶれることはない』『ただ文句を言っているだけ、自己責任でしょ』。こんな感想を持つ人が多いのではないかと思うが、実はこういう人がデッドラインにいることがある」

 しかも彼らはそのことに気づかないばかりか、消費増税、法人減税、社会保障や生活保護の削減といった、自分たちのセーフティネットを断ち切るような安倍政権の格差助長政策を積極的に支持し続けている。

 彼らに、自分たちこそが将来、強者の餌食になってしまうということをわからせるためには、いったいどうすればいいのだろうか。

年収600万円以上の大企業正社員が突然、貧困に! 低所得者を「自己責任」と突き放している中流クラスが危ない

http://lite-ra.com/2015/12/post-1783.html


「今後、社内であなたに与えられる仕事はありません」

会社から突然こう言われてしまったら、途方に暮れてしまう人も多いだろう。仕事がなくても出社するだけで給料がもらえる、「働かないオジサン」としてのポジションを残してくれるなら、ある意味、素晴らしい優良企業だ。しかし、グローバル市場での競争が激しい昨今、そんな砂糖にハチミツをかけるような話はレアと言える。

日本IBM「社外秘リストラマニュアル」の全貌

http://toyokeizai.net/articles/-/97715


アベノミクス・まさかの消費底割れ/3か月で合わせて-4.0という落ち幅も大きく、東日本大震災時の2011年2~3月にかけての-3.9を超える


自分が勤める会社は大丈夫、勤めていた会社は大丈夫、企業年金の支給も問題ない。ワーキンングプアは自己責任、自分には関係ないと高をくくって安倍政権を支持していると、アベノミクス不況に足をすくわれることになるだろう。

金森

月別 アーカイブ

Powered by Movable Type 7.1.2

この記事について

このページは、ofoursが2015年12月28日 15:00に書いた記事です。

ひとつ前の記事は「介護離職者ゼロ」です。

次の記事は「コンドラチェフの波動」です。

最近のコンテンツはインデックスページで見られます。過去に書かれたものはアーカイブのページで見られます。