安倍首相はアベノミクス第二ステージで介護離職者をゼロにすると宣言している。
最初に聞いた時、介護離職者とは職業として介護に携わる人たちが離職するのをゼロにすることかと思った。しかし、介護で離職する人をゼロにするという意味だった。
先の記事で書いた私のような理由で離職となった人もいるだろう。身近な者の中には、離職に加えて離婚をして富山の実家に帰った者もいた。介護で離職せざるを得なくなる人の事情はいろいろである。
軽々しく「介護離職者をゼロにする」などと言って欲しくない。安倍首相の言うような口先だけの政策で介護離職者をゼロにはできない。
そもそも、アベノミクス第二ステージの「三本の矢」は、いろんな人から指摘されているように、矢ではなく「的」だ。それでもあえて「矢」と言うのであれば、「的」を隠して誤魔化していると言えるだろう。
「介護で離職する人を安価な労働力として使う」と言うのが、安倍首相の本音だろう。それなら「矢」になる。
「介護離職者をゼロ」にするための特効薬はない。あるとすれば、本当の意味の地方分権を進め、地産地消の社会になるよう社会の仕組みを変え、家族が生まれ育った土地で生き生きと暮らしていける社会にすることではないかと、私は考えている。
金森