自民党は今や全体主義国家の党

私が一番嫌うのは国のためにといった「全体主義」的考え方だ。一方、最近の安倍自民党は国民を無視して全体主義全開で我慢ならない。

以下に「孫崎享のつぶやき」を転載して紹介する。私も氏と同じ評価だ。加えて「百田氏発言をめぐる琉球新報・沖縄タイムス共同抗議声明」も転載した。


自民党は今や全体主義国家の党。「異論者にどう報復するか」が公然と語られる時代に

A事実関係

1:「自民、小林よしのり氏招く勉強会中止 党内の異論封じか」

安全保障関連法案をめぐり、自民党執行部が党内の異論封じへ引き締めを図っている。25日に予定されていたリベラル系議員の勉強会に「時期が悪い」と注文をつけ、結局、中止に。OB議員の批判にも神経をとがらせる。法案への国民の理解が広がらず、憲法学者から「違憲」と指摘された焦りからか、身内の動向にまで敏感になっている。

中止に追い込まれたのは、党内ハト派とされる「宏池会」(岸田派)の武井俊輔、無派閥の石崎徹両衆院議員らが立ち上げた「過去を学び『分厚い保守政治』を目指す若手議員の会」だ。この日、漫画家の小林よしのり氏を招いて5回目の会合を開く予定だったが、2日前に急きょ中止が発表された。

小林氏は、自衛隊を軍隊と位置づけるべきだとの立場から、改憲を主張する保守派の論客だ。憲法の解釈を変更して集団的自衛権を使えるようにした安倍晋三首相に批判的な立場だ。

複数の議員によると今月中旬、党幹部の一人が「分厚い保守政治の会」のメンバーに対し、「安全保障関連法案への審議に影響がある」として法案成立まで会合を開かないよう求めたという。別の党幹部は「小林氏を呼べば、政権批判をされ、憲法学者が法案を違憲だと指摘した二の舞いになる」と打ち明ける。

一方、メンバーには「党内の幅広い意見が消える」との声もあり、政治学者の御厨貴氏を呼ぶ予定だった次回の会合は中止せず、そのまま開くことを決めた。

小林氏は朝日新聞の取材に「会合中止は国会が空転しているから、と説明されただけだ。執行部への抵抗勢力になるのが怖くなり、負けたんだと思う。自民は全体主義になっている」と語った。(26日朝日)

2:自民・若手議員の初会合で"報道機関への批判"相次ぐ

 安倍総理に近い自民党の若手議員が初会合を開きました。この中では、安全保障関連法案に対する国民の理解が進まない現状について、報道機関を批判する意見が相次ぎました。

初会合にはおよそ40人の自民党の若手議員が参加しました。出席者によりますと、安保法案に対する国民の理解が進んでいない現状について、講師として招いた作家の百田尚樹氏からは「政治家は国民に対してアピールが下手だ」との指摘がありました。

安保法案を批判する報道機関について議員からは、「マスコミを懲らしめるには広告料収入を減らすようにする」「不買運動するのを働きかけて欲しい」などとの意見が出ました。(TBS系(JNN) 6月26日)

B:評価

・言論の自由は民主主義の基盤である。

・今政府、および政権与党の「政権擁護」と「民主主義確保」の2つのベクトルのどちらで実施されているかと言えば、間違いなく「政権擁護」の観点でありと「民主主義確保」の考え方で動いている様相は見えない。

・小林氏は「憲法第9条護憲」を厳しく批判してきており、この勉強会を中止したことは如何に今日の自民党が狭い視野しか持たない、批判は受け付けない政党になっているかを示す、

・「国境なき記者団」は2015年報道の自由度を世界で61番目と評価している。

・さらに危険なのは、「異なる発言をする者、機関に報復していい」という思想が公然と語られていることである。「暗殺」こそしないが、共通の考え方がある。


百田氏発言をめぐる琉球新報・沖縄タイムス共同抗議声明

http://ryukyushimpo.jp/news/storyid-244851-storytopic-1.html

 百田尚樹氏の「沖縄の2つの新聞はつぶさないといけない」という発言は、政権の意に沿わない報道は許さないという"言論弾圧"の発想そのものであり、民主主義の根幹である表現の自由、報道の自由を否定する暴論にほかならない。 
 百田氏の発言は自由だが、政権与党である自民党の国会議員が党本部で開いた会合の席上であり、むしろ出席した議員側が沖縄の地元紙への批判を展開し、百田氏の発言を引き出している。その経緯も含め、看過できるものではない。
 さらに「(米軍普天間飛行場は)もともと田んぼの中にあった。基地の周りに行けば商売になるということで人が住みだした」とも述べた。戦前の宜野湾村役場は現在の滑走路近くにあり、琉球王国以来、地域の中心地だった。沖縄の基地問題をめぐる最たる誤解が自民党内で振りまかれたことは重大だ。その訂正も求めたい。
 戦後、沖縄の新聞は戦争に加担した新聞人の反省から出発した。戦争につながるような報道は二度としないという考えが、報道姿勢のベースにある。
 政府に批判的な報道は、権力監視の役割を担うメディアにとって当然であり、批判的な報道ができる社会こそが健全だと考える。にもかかわらず、批判的だからつぶすべきだ―という短絡的な発想は極めて危険であり、沖縄の2つの新聞に限らず、いずれ全国のマスコミに向けられる恐れのある危険きわまりないものだと思う。沖縄タイムス・琉球新報は、今後も言論の自由、表現の自由を弾圧するかのような動きには断固として反対する。
 琉球新報編集局長・潮平芳和
 沖縄タイムス編集局長・武富和彦


金森

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この記事について

このページは、ofoursが2015年6月27日 07:00に書いた記事です。

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