終戦直前に父親と生き別れになった女性は、戦争への道をひた走る安倍政権の姿勢を「絶対に許せない」と話した。=17日、国会議事堂前 写真:筆者=
「殺し、殺される戦争に夫や子供を行かせたくない」。軍国主義に突き進む安倍政権に女たちの怒りが爆発した。集団的自衛権の行使容認に反対する女性たちが、きょう、国会を包囲した。(主催:「女の平和」実行委員会)
安倍政権は4月の統一地方選が終われば、集団的自衛権行使のための関連法案を国会に提出する。可決成立はほぼ確実だ。維新をうまく抱き込めば改憲発議も現実味を帯びてくる。
国会周辺は危機感を募らせる女性たちで一杯になった。議事堂を包囲したヒューマンチェーンは、所々が2重3重になるほどだった。
議事堂正門前にしつらえられたステージでは、音楽評論家の湯川れい子さんらがスピーチした。
湯川さんは18歳年上の兄をフィリピンの戦線で失っている。父も戦病死した。
「日本が憲法9条を守り戦争をしなかったから、幸せに音楽を作り暮らして来られた。人間は人間が生んだ子供を殺してはならない」。湯川さんはよく通る声で訴えた。
国会議事堂を取り巻いた人間の鎖は2重3重になって長く続いた。=17日、永田町 写真:筆者=
『女は戦争を望まない!』と書いたプラカードを手に参加した女性(写真上段・70歳)は、旧満州のハルビンで終戦を迎えた。父親は終戦直前、根こそぎ動員で徴兵された、という。
「父はどこでどう死んだのかも分からない。戦後70年というけど私の中では戦争はまだ終わっていない。この悲劇を日本だけでなく世界のどこの国でも繰り返したくない」。女性の言葉には重みがあった。
子供を連れた母親の姿も目についた。栃木県から参加した母親(30代)は、息子2人(6歳と3歳)の手を引いていた。
「(子供が戦争に行くようになったら)絶対こまる。そうならないために今日訴えに来た」。母親は切々と語った。
女性たちは赤色のマフラー、帽子などを身につけて参加した。国防色と言われるカーキ色の向こうを張る自由の色でもある。国会周辺は赤で埋め尽くされた。
洋の東西を問わず女を敵に回した政権は長持ちしない。アベシンゾーを退陣に追い込むのは、女たちの怒りではないだろうか。
金森