「孫崎享のつぶやき」から引用
http://ch.nicovideo.jp/magosaki
ウォルフレン氏は日本研究の第一人者です。
彼は2014年『日本に巣喰う四つの怪物』という本を書きました。ここで彼は「日本のメディアは極めて重要な怪物である。他の怪物たちを活性化させる役割をはたしている。メディアの働きなしに、こうした怪物たちは現在のように脅威を与える存在には決してならなかった。主流派メディアが当然果たすべき不可欠な役割がある。それは民主主義を守るということだ。私は日本に真の民主主義を実現させるうえで最大の障害はおそらく日本の主要全国紙だろうという」と記載しました。
メディア一つとっても日本は民主主義から離れる道を歩み始めています。
日本は今、大変な曲がり角にあります。
日本の社会の中に、おかしいと思う人がいないのでしょうか。
当然います。
社会のあちらこちらに、原発や、TPPや集団的自衛権に警告を発する人がいます。さらに、原発差し止め訴訟と司法の場に訴える人もいます。TPP交渉についても、交渉差し止め訴訟の動きがあります。集団的自衛権についても、「国民安保法制懇」が2014年7月1日の「集団的自衛権は合憲」とする閣議決定に反対の声明を行いました。この会には何と、大森元内閣法制局長官や柳沢元防衛庁官房長まで入っています。
今の動きのおかしいと述べる声はあります。
しかし、実際に物事を動かす政策決定の中枢部にいけばいくほど、思考停止をし、憑りつかれたように、愚策を追求しています。
「こんな時代がなかったろうか」と考えてみると、まさにありました。
真珠湾攻撃の時です。
当時、軍需産業の基盤になる製鉄生産高で日米の格差が1対10でした。更にドイツと日本の動きに危機感を持ったルーズベルト大統領は議会に航空機の生産を年5万機とすることを要請しています。
10倍も多い武器を作れる国に、こちらから戦争を仕掛けているのです。それも相手が日本に危害を加えた訳でもないのです。
日本が米国と戦争するなんて、ありえない選択です。しかしそれを実施しました。
「真珠湾攻撃への愚」と今日の「原発、TPP、消費税、集団的自衛権の愚」とを比較してみますと、驚くべき共通性があります。
- 本質論が論議されない事
- 詭弁、嘘で重要政策がどんどん進められること
- 本質論を説き、邪魔な人間とみなされる人はどんどん排除していくこと。排斥の手段は、戦前はテロという手段で物理的に抹殺しました。実に的確に重要人物を暗殺しています。
12月18日に「政府のポチと化した一流紙」という記事を書いた。この記事と通じるところがあると思い紹介した。
金森