最近なぜか「大きいことは いい事だ ♪」というコマーシャルソングを思い出す。口ずさんでしまう。
私たちが育った高度成長期にはビッタリで、なんの疑いもなく大きさに夢を求めて突き進んだ。
一方、「時代は高度成長から低成長の時代になる。低成長時代にそくした準備をすべき」と言われて久しい。しかし掛け声だけで未だに私たちも政府も高度成長を求めている。成功体験から抜け出せていない。
産業にしろ農業にしろ、規模を拡大すれば効率が上がり競争力が増して収益も上がる。それによってみんなの生活も豊かになると考えている。だから企業は合併してより大きな企業になることを目指す。自治体は平成の大合併でやたら大きな市や町を作ってきた。安倍自民党などは農業政策を転換して農家の大規模化を推進すると言っている。「大きいことは いい事だ ♪」と言わんばかりである。
さて、本当に「大きいことは いい事だ ♪」なのか。合併して大きくなった企業が私たちに大きな富をもたらしているだろうか。合併で大きくなった都市銀行が良い例だ。彼らは中小企業を支援してくれているだろうか。国債を買ってマネーゲームに明け暮れ、大企業に資金を垂れ流しているだけだろう。やたら大きくなった市や町は住民のためにサービスを充実させているだろうか。
「大企業や自治体のゾンビ化が目立たなくなった。」「破綻が少し先延ばしできた。」が実態だろう。
日本は本当の意味で「低成長時代にそくして人々の生活を守るための対応」を真剣に考え実行しなくてはいけない。しかしながら既得権益でガンジガラメになっている。現状打破が難しい状況に陥っている。破綻への道、預金封鎖など行き着く所へ行くしかなさそうである。
私の描く低成長時代の風景、キーワードは(多分破綻してからのことになりそうだが・・・)
「地産池消」「地方分権」「集中から分散へ」「ネットワーク」「身の丈に合った生活」
そして「小さいことは いい事だ ♪」
金森