「街に行く」と言う言葉の響に郷愁を覚える。中学の頃までの私にとって、「街に行く」とは、「富山の総曲輪通り(そうがわどおり)や西町(にしちょう)に行く」ことを意味していた。
親父やお袋に「街に行く」と言われると、おめかしをする。「おめかし」と言っても、学校の制服を着て、手でほこりを払うこと位である。街に行けば、何かしら目新しいものが見れる。そんな期待に胸膨らませ、緊張したものである。
街の象徴は、「大和デパート」であった。そこには、最先端の文化があった。万国博覧会にでも来たように、目を輝かせて通りを歩く。総曲輪通りや大和デパートには沢山の人が溢れていた。
総曲輪通りの食堂で、一緒に来た近所のおばちゃんに黒いサイダーだと進められて飲んだコークを思い出す。なんと不思議な飲み物かと思った。今ではなんの抵抗もなく飲むコーラだが、初めてのコーラはコップ一杯飲むのにも苦労した記憶がある。
そんな時代の象徴である「大和デパート」が移転する。移転先は、総曲輪通りの国道41号線沿いの入り口付近である。着々と工事が進んでいる。今年の秋頃には完成するのではないだろうか。
街に憧れた頃の思い出が一杯詰まった「大和デパート」が新しく生まれ変わる。今の建物は壊されるのかも知れない。感慨深いものがある。
ところで、今の西町や総曲輪通りに、あの頃を思わせる人通りや賑わいはない。新しくできる大和デパートが、あの頃の賑わいを呼び戻してくれると嬉しい。ラッピングされて走る市電だけがニギニギしいのは、やはり寂しい。
両親の生まれ故郷の富山市の総曲輪に新しく大和デパートが開店されるとの事、その折に美術画廊に父の兄、郷倉千靭さんと娘の郷倉和子さんの日本画が展示されるとか、是非楽しみにして画廊を見たいし、富山の土産物を買って、昔子供の時食べた味を思い出したいので、開店の日を教えて欲しい
新しい大和のオープンが9月21日です。
旧のお店では19日まで営業しているのではないでしょうか?
ただ今、西町の大和では「さよならバーゲン」中です。
現在のお店での75年の感謝セールは30日を切ったところではないでしょうか?(潤)