昌徳宮は、1405年に朝鮮王朝の離宮として建てられたが、1592年、豊臣秀吉による朝鮮出兵、壬辰倭乱(文禄の役)でほとんどが焼失、敦化門だけが残った。その後、1611年に再建されて、15代国王・光海君から26代国王・高宗まで正宮として使われていたという事である。
1997年には、全人類のために、保護すべき価値が顕著な文化遺産として認められ、ユネスコの世界文化遺産に登録された。
敦化門から昌徳宮に入場すると、小柄な女性のガイドさんから、昌徳宮ツアーの簡単なコース説明があった。分かり易い日本語の説明で、これから始まるツアーが楽しみになってくる。
先ずは、昌徳宮の中心的建物の仁政殿に案内された。その荘厳な佇まい、、殿内の玉座や装飾などを見学し、仁政殿前の役人たちが整列したといわれる石畳に立つと、朝鮮王朝の宮廷内の様子がしのばれる。
続いて、宣政殿、大造殿とガイドさんの後について見学して行く。どの建物も、始めて本格的な朝鮮の宮殿を見る私には感動的であった。
やがて、秘苑と名づけられた庭園に案内された。秘苑は韓国を代表する庭園だそうで、芙蓉池という四角の池が印象的で、日本庭園と似た雰囲気を持ちながら、ぜんぜん違う世界を作っていた。
次に案内された演慶堂は、それまでに見学した建物とは少し違って、飾りのない質素な様子で、日本の寺院に似ていると思った。
ガイドさんの話はどれも興味深かったが、何の予備知識も入れて来なかった私は「へぇ?」と思っているうちに、次へと行ってしまう。ツアーは1時間20分。あっと言う間であった。もし、もう一度、韓国に来ることがあったら、今度はもっとじっくり見学したい。