破産による不利益など
1 破産をした場合に受ける社会生活上の不利益は殆どないように思える。
選挙権を失うわけでもなく、行動の自由を奪われるわけでもなく、特別の不利益はない。
法人の取締役であった者は破産宣告(破産開始決定)と同時に取締役の地位を失うこととなる。しかし、破産宣告を前提として翌日再度取締役に選任されることは可能である。
2 破産手続きをする上で、若干の不利益はある。
イ 管財人が選任される破産事件の場合、管財人の職務遂行中は、破産者への手紙などは全部破産管財人のところに配達され、破産者には配達されない。
従って、自分のところに手紙などの配達を希望する場合には、手紙などの宛先を同居の親族宛にして貰う等のテクニークが必要となる。
ロ 破産管財人の事情聴取などに応じろ義務があることから、常に破産管財人の呼び出しに応じられる体勢をとっておく必要がある。
3 金融機関等のいわゆるブラックリストに掲載される(掲載期間は概ね5ないし7年程度)ことから概ね5年ないし7年間程度は金融機関からの融資は事実上受けられなくなるという不利益はある。
(破産者に融資をする悪質金融業者もいる。破産をした者は原則として、再度の破産が難しいことに着目した貸金である。注意が必要である)
4 破産者であるとの風評、烙印
ひと昔前までは、破産者について、あたかも人格的な問題があるかのような評価がないとは言い切れなかった。
しかし、銀行などによる乱脈融資とバブルの崩壊後、裁判所の年間破産事件受理件数は最大を更新し続け、破産に対する社会的評価は大きく変貌を遂げたように思える。
今、破産者に対し、人格的偏見や評価はない。社会のさまざまな歪みに直撃された人という評価である。
安易に自己破産に頼るという姿勢は慎むべきである。しかし、精一杯努力してもなお弁済不能ということであれば、躊躇せず自己破産を選択し、新たな人生の構築に向かって欲しいと思う。
5 流れを止めた川
破産する以前、電話一本で数百万円のお金を右から左に動かしていた人であっても、破産をした瞬間、1万円のお金をつくることも困難となる。
川は流れているからこそ、その力を発揮する。流れを止めた川は瞬時に変化する。
この激変を予測できず、困惑する人がいる。
流れることを止めた川は、もはや川ではないことを十二分に理解をして欲しい!!
6 破産による不利益その2
破産による財産拠出 を参照して下さい。
投稿者 goemon : 09:24 | トラックバック(1)