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破産申立に伴う解雇とその効力
一 企業が破産申立を決定した場合、通常、従業員に対し、解雇通知をすることとなる。
この倒産に伴う解雇の効力が問題となる。
1 遡及解雇の効力
解雇通知をする際に、「解雇通知発信日以前の日付けで解雇する」旨の書面が発信される事例をみることがある。
このような遡及解雇通知が、その文面どおりの効力を持たないことは議論するまでもない。解雇する企業側に、このような解雇の意思表示の到達前の日付で、意思表示が到達したものとする法的根拠はないからである。
2 解雇予告期間ないし予告手当支払いなき解雇の効力
最高裁昭和35年3月11日第二小法廷判決
使用者が労働基準法二〇条所定の予告期間をおかず、または予告手当の支払をしないで労働者に解雇の通知をした場合、その通知は即時解雇としては効力を生じないが、使用者が即時解雇を固執する趣旨でない限り、通知後同条所定の三〇日の期間を経過するか、または通知の後に同条所定の予告手当の支払をしたときは、そのいずれかのときから解雇の効力を生ずるものと解すべきであつて、本件解雇の通知は三〇日の期間経過と共に解雇の効力を生じたものとする原判決の判断は正当である。
投稿者 goemon : 2009年10月17日 08:32
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