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免責の制度
二 免責の制度
1 破産をした人にのみ、債務の追及から解放され、人生をやり直すことを可能にしてくれる制度=免責の制度が利用できることとなっている。
2 破産をした人が、裁判所に対し、自己の債務についての責任を免除してくれるように申し立てる制度であり、裁判所は、破産法が免責不許可事由として定めている免責を不許可にしてもよいという事由がない限り、免責の決定をしてくれることとなっている。
3 この免責の制度は債務者を助ける、債務者のための制度である。
4 事業の失敗などで、人間、一生かかっても返済できない金額の債務を負うこともある。これの弁済を求め続ければ、その人の人生は借金の弁済をしていくのみとなる。
このような状況から救うのが免責の制度である。全財産に対する、全体的な強制執行ともいうべき破産宣告を受け、全財産に対する強制執行を受けて裸となった債務者について、それ以上の責任の追及を停止させるのである。裸となった債務者に対する責任の追及は過酷であるからである。
債権者を泣かせ、債務者を救うのである。
自己破産をする債務者をなじる債権者がいる。しかし、債務者の破産により経営が悪化した人に対する救済制度もある。債権者も、いつ、債務者に転化するかもしれない。社会の持つ相互扶助制度かもしれない。
社会生活上のリスクを補填する制度が保険であり、社会生活上のリスクからの解放が免責制度である。
この破産宣告に伴う免責制度は社会の持つ相互扶助制度のひとつであることを理解すべきである。
投稿者 bentenkozo : 2005年6月 8日 13:36
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