投資: 2004年8月アーカイブ
原油価格が高騰している。 このまま高値が続くわけもなく、いずれは調整することになる。 今回の原油価格の高騰は、需給のバランスによるものではなく、行き場のなくなったマネーが原油に流れているのが、主因とみるべきだろう。
こう考えると、米国の金利政策いかんで、このバブルも弾けることになる。 この秋が一つの節目になるのではないだろうか。
ITバブルが弾けるときに、日本の大企業の経営者が「これからITになだれこむ」と米国の投資家を前にして胸を張ったそうである。それを聞いた欧米の賢い投資家は、これで買い手ができたと喜び、せっせと売り抜き、多くの投資家が気付いたときにはバブルが弾けていたそうである。
大手証券会社のアナリストや何処か大企業の社長が、原油関連に注目とか、これから積極的に中国になだれこむなどといい始めたら、バブル崩壊が始まるサインだと考えればよいのかも知れない。そして、その時期はそう遠くなさそうである。
「需要と供給の関係で価格は決まる」と教わった。最近の鋼材や石油価格の高騰に関しても、中国の需要が旺盛だからと報道されたり、経済評論家や証券会社等が、そういった論調で分析してみせてくれる。そして、これらに関連するもへの投資が有利だと解説する。でも、本当にそうなんだろうか。
中国の需要が拡大する。だから供給が需要に追いつかず価格が高騰する。確かに「風が吹けば桶屋が儲かる」は大変分かり易い。しかし、事はそんなに単純ではなそうである。桶屋が儲かるまでにいろんな思惑が入る。
鉄や石油が不足する。価格が上がるだろう。欲しい時に手に入りづらくなるだろう。だから2割増し位で買っておこうとなる。ある国では、2,3倍買って置こうとなるようだ。これが需要の実態ではないのか。
とある国の港には、錆びた鋼材が引き取り手もなく雨ざらしになっているようだ。大豆も倉庫で腐っているとも聞く。
いずれ調整が来る。時期は何時か。そしてその震度はどれ位のものになるか。ひょっとして既に調整が始まっているのかも知れない。
こんな時は、整理するものは整理して、人の口車に乗ることなく、静かにしているのが一番と思う。
これから景気がよくなるのか悪くなるのか、将来のことは神のみぞ知るところではあります。それでも何か指標となるようなものが欲しいと思っていたところ、面白い指標を見つけました。
バルティック ドライ インデックス(BDI) 不定期船運賃指数というインデックスで、乾貨物の海上輸送運賃指数。乾貨物、いわゆるドライカーゴとは、石炭、鉄鉱石、穀物 の3大バルク、砂糖、鉄鋼製品、肥料、木材製品(含む原木)、セメントなどのマイナーバルクの総称。
解説は以下にあります。
http://www.geocities.co.jp/WallStreet/2345/como.html
どうもこの指標が上がり始めると、景気のピークアウトが始まったことを示すようです。タイムラグは6カ月位のようです。
上述のサイトには2003年11月までのものしかありませんが、今回の場合、BDIは、2004年2月頃にピークを打って、その後急落しているようです。それから考えると景気が目に見えて落ちてくるのが、9月頃ということになります。