弁天小僧: 2007年3月アーカイブ
昨日の風は強かった。テレビニュースでは、富山のあちこちで、強風にあおられたトラックがひっくり返っていた。
台風並みの低気圧が日本列島を西から東に向かって横断しているようで、金沢でも明け方から生暖かい強い風が吹いていた。夕方には低気圧も北陸地方を通り過ぎるようで、その後は冬型の気圧配置になって寒くなるようだ。
東京からの友人が小松空港に着くのは午後6時頃である。それから高速バスで金沢に来る。片町で一杯やろうということで、午後7時に片町で待ち合わせた。
彼と飲むのは何年ぶりだろう。積もる話しで時間も忘れて胚を重ねた。
明日は仕事もあるので、そんな深酒はできないと、程ほどに「ぼんぼり」を出る。ぼんぼりのおかあさんが店先に出て見送ってくれた。
二人で、金沢で飲む機会もなかなかないので、この季節のお約束の「かに面」を食べようと、「よし坊」に寄った。
おくさんが、カウンタ越しに、「掛布」と書れたラベルが張ってある五代目和助の掛布ブランドの芋焼酎を見せてくれた。ちょっと前に、このブログでも「よし坊」に寄った時のことを「ティファニーでおでん?」で書いた。あれから、掛布さんが「掛布」を送ってくれたか、持ってきてくれたそうである。
掛布さんから私に飲むようにとの伝言はなかったかと尋ねてみたが、笑われてしまった。確かに伝言があるはずもない。
でも、おくさんは優しかった。その「掛布」を、ロックにして友人と一杯づつ飲ましてくれた。いやな芋の味は残らない、でもちゃんと芋の味がしっかり甘く、でもあっさりとした焼酎だった。おでんの味を吸う具の代表「だいこん」と、おでんの味を出す具の代表格「かに」を肴に、「掛布」のバランスがなんともいけた。
明日があるからと、後ろ髪引かれながら、「よし坊」を出た。外は少し肌寒くなっていた。
タヌキが番をする軒先に和傘が掛かる。金沢千日町にある傘屋さん。和服の粋な女(ひと)が主人と話す。西茶屋街の芸者さんのようだ。
爽やかな陽射しで、兼六園の雪吊りが、霞が池に浮かぶ。そろそろ雪吊りも、春の季節を迎える。