年金氏名 自動読み仮名ソフト
今日の SankeiWEB で「年金氏名 自動読み仮名ソフト導入 入力ミス誘発、システム欠陥」という気になる記事を目にした。
年金記録は、32年からそれまでの手書き台帳での管理と並行し、データをパンチカードに入力する機械処理を導入。37年からは磁気テープへの収録を進めた。32年当時は文字をそのまま入力することができなかったため、氏名は「島=3800」「崎=3451」「藤=7854」「村=8618」といった具合に、漢字1文字ごとに4けたの数字に変換され、パンチカードに入力された。53年までに約5400万件の氏名が数字記号化された。
今回問題となっている年金システム上で宙に浮いてる5000万件のデータだが、こういった漢字の自動変換システムが原因でのデータが含まれているということであれば、今回政府が作るという名寄せプログラムでも解決が付かないものが多く残ってしまうのではないだろうか。 その後、社保庁は54年になり、氏名をコンピューターにカタカナで入力する方式に変更した。ところが、数字記号化されたデータは読み仮名が分からなかったため「漢字カナ変換辞書」を開発。このソフトによって変換された勝手な読み仮名をそのまま、本人に確認することもせずコンピューターに入力した。
氏名の表記には外字といわれる特殊な漢字も多くある。そして、漢字で表記されているものには、氏名以外にも住所がある。例えば、悩ましいことに、「町」の呼び方は地方によって異なる。一番町だが「イチバンチョウ」や「イチバンマチ」と土地によって呼び方が異なる。加えて、平成の大合併で住所表記もグジャグジャになっている。
名前の読み方も適当、住所の読み方も適当、住所表記も大きく変わってしまっているといった状態で、どれ位の精度で名寄せができるのだろうか。かなり不安が残る。
私も今回の年金問題は、至急対策しないといけないと思う。しかし、その為にも、政府は、早急に過去と現在の問題点を洗い出し、事務処理的に技術的に何が問題だったのかを明確にし、国民に開示することが先決ではないだろうか。
今のように、モグラタタキのように、次から次へと問題が明らかになってくる状況で、担当省庁が「もう問題になる事はありません」といったところで、誰も安心できないだろう。
原因の開示をあやふやにしたまま、対策システムを作っても意味がない。税金の無駄使いになってしまうし、次から次へと問題が指摘されるという状況は、国民の不安を煽るだけではないだろうか。
また、技術的にも、解決すべき問題点を全て明確にすることは、システム設計の原則でもある。特に今回のような場合は、システム開発者も、問題となるデータは、何が原因で宙に浮いたのか、どう解決しようとしているかを積極的に開示しておくことが大切ではないだろうか。お役人に言われたように作りましたでは、技術者としても禍根を残すだろう。
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