コムスン事件を考える
今日、グッドウィル・グループ <4723> の株価が急落した。
ご存知のとおり、グッドウェル傘下のコムスンが、厚生労働省から事業所の新規指定や更新を打ち切られるからだろうと思う。
私も父の介護で、介護サービスを提供してくれる色んなみなさんのお世話になってきた。介護保険には大変お世話になって感謝している。だから、今回の一連の報道で、コムスンには腹立たしいものを感じる。
しかし、物事はそんな単純な話ではなさそうである。グッドウィル・グループの今6月期の第3四半期(06年7月~07年3月)業績を見ると、「介護・医療支援事業」は627億円の売上高に対して17億円の営業赤字。老人ホーム事業や介護施設の給食事業などを手掛ける「シニアレジデンス・レストラン事業」も10億円の営業赤字のようである。
要するに、「不正請求をやっても介護事業は利益を計上できていない」という事である。この事は、かなり悩ましい問題である。 コムスンを血祭りに上げるのも良いが、政府の介護保険政策に問題がないのかを検証してみる必要があるのではないだろうか。
「消えた年金問題」の根っ子にあることが、介護保険の問題の源流になってはいなだろうかと不安に思う。例えば、厚労省や政府の国会での答弁を聞きながら、そんな不安を感じてしまう。
厚労省の説明の中でも、全体の何%だからどうとかといった回答を耳にする。しかし、何%の中に入った人にとってみては全てである。問題は、そんな単純な話ではない。
国民の年金介護問題を、効率とか費用対効果といった尺度だけで判断してもらいたくないものである。しかし、物事を競争原理だとか効率一辺倒で考えるのが、現在の与党、自民党や公明党の考え方の基になっているのかも知れない。
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