貸金請求事件最高裁判決
最高裁第二法廷で、貸金に関して、注目すべき判決があった。
平成18年01月13日 第二小法廷判決 平成16年(受)第1518号 貸金請求事件
事実上、利息制限法超過利息金の保持を認めた貸金業法43条を空文化する画期的な判決である。
最高裁は「制限利率超過利率約定をしている貸金業者が、制限利率超過利率約定利息金を不払いした場合、分割弁済の期限の利益を喪失するという契約条項を設け、期限の利益喪失後は、元利合計金額の一括支払いとともに、約定利率より高率の遅延損害金を支払わなければならない」という貸金契約について、「それは制限利率超過利息金の支払いを事実上強制しているもの」であって、このような場合「利息金の支払いに任意性はない」として貸金業法43条の適用を否定するような趣旨の判決をした。
早い話、最高裁は、分割弁済の期限の利益を喪失するという契約条項によって支払った利息というのは、一般の人に取っては、任意に支払った利息とは言えなく、実質的には脅されて支払ったということだろうから、貸金業法43条は適用されないだろうと言っているように思う。最高裁は、常識的で庶民的な感覚で、判決してくれたように思う。
最高裁は、特別事情の有無を審理させるため、高裁に破棄差し戻したわけだが、実質的には、期限の利益の喪失条項のない貸金契約書は実際上存在しないことから、上記判決は貸金業法43条を空文化する判決と思う。
蛇足だが、返せ計算くん、別表計算くんで、清々と利息の引き直しをしてみると良いと思う。
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最高裁の各小法廷に同種事件が係属しているとのことです。
ということは、各小法廷で、次々と同種判決がだされる予定??