ごまかしの公約か。争点は国民が決めるもの
劇場型、激情型。小泉首相は、先の参議院で郵政改革法案が否決されたのを受けて、衆議院を解散した。
そして、来る総選挙の争点は「先の国会で否決された郵政改革法案を可決するかどうか」だと主張している。なにかうさん臭い。
報道されている小泉首相や武部自民党幹事長の話を聞くにつけ、今回の解散劇に関して、国会の仕組み(民主主義の仕組み)からの疑問が大きくなってくる。
参議院で否決された法案は、衆議院に戻し再審議の上、再度採決し、3分の2以上の賛成が得られれば成立と定められている。手続きに沿って処理し、再度衆議院で否決されての解散であれば納得がいく。これが筋ではないか。民主主義とは面倒なものであるが、国政の最高機関に係わる手続きであり、端折るべきではない。
小泉首相は、法案を可決させた衆議院を解散して、反対票を投じた自党の議員を離党に追い込む一方、否決した参議院の議員に対しては、なんらの処分も明確にせず、先送りしたままで、自民党を混乱させ、引いては政治的空白を作り、国政も混乱させている。
総選挙で自民党が勝利したとしても、郵政改革法案が成立する確証はどこにもない。こういった状況で、今回の争点を「先の国会で否決された郵政改革法案を可決するかどうかだ」と激情的に主張し、自党で反対した議員に対して「刺客」を送るなど、選挙を劇場化させ、矛盾から国民の目をそらさせようとしている。小泉首相の強かな目くらまし戦術と映る。
以前、国会で、選挙での公約と矛盾していると指摘されたことがあったが、「(公約は)大した事ない」と言い放った総理であるから、権力で物事をねじ伏せ、誤魔化す秘策を秘めての公約なのかも知れない。
また、小泉首相は、自民党総裁任期の延長はしないと語っている(約束している?)。自民党総裁の任期切れは総理を辞めることと等価である。今回、自民党に投票するということは「小泉」自民党に投票するということである。自民党が、小泉首相が辞めた後も、小泉的強権手法を続けられるかどうかを見極める必要もある。
権力を手にした者は、劇場的、激情的にまくし立てるのではなく、もっと謙虚であるべきである。争点は何かは国民が判断するものである。
マスコミも激情的劇場型主張に振り回されることなく、冷静に物事を見て、報道してもらいたいものである。
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