ウイニー裁判、第9回公判に思う

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 前回の私の記事に関して tediさんから「断片しかみていないけれど、これまで証人尋問のほとんどは、刑訴法321条3項により証拠とするための尋問と、322条1項の特信情況の立証でしかないのでは?」との指摘を頂いている。

第321条 被告人以外の者が作成した供述書又はその者の供述を録取した書面で供述者の署名若しくは押印のあるものは、次に掲げる場合に限り、これを証拠とすることができる。
  1. 裁判官の面前(第157条の4第1項に規定する方法による場合を含む。)における供述を録取した書面については、その供述者が死亡、精神若しくは身体の故障、所在不明若しくは国外にいるため公判準備若しくは公判期日において供述することができないとき、又は供述者が公判準備若しくは公判期日において前の供述と異つた供述をしたとき。
  2. 検察官の面前における供述を録取した書面については、その供述者が死亡、精神若しくは身体の故障、所在不明若しくは国外にいるため公判準備若しくは公判期日において供述することができないとき、又は公判準備若しくは公判期日において前の供述と相反するか若しくは実質的に異つた供述をしたとき。但し、公判準備又は公判期日における供述よりも前の供述を信用すべき特別の情況の存するときに限る。
  3. 前2号に掲げる書面以外の書面については、供述者が死亡、精神若しくは身体の故障、所在不明又は国外にいるため公判準備又は公判期日において供述することができず、且つ、その供述が犯罪事実の存否の証明に欠くことができないものであるとき。但し、その供述が特に信用すべき情況の下にされたものであるときに限る。
2 被告人以外の者の公判準備若しくは公判期日における供述を録取した書面又は裁判所若しくは裁判官の検証の結果を記載した書面は、前項の規定にかかわらず、これを証拠とすることができる。
3 検察官、検察事務官又は司法警察職員の検証の結果を記載した書面は、その供述者が公判期日において証人として尋問を受け、その真正に作成されたものであることを供述したときは、第1項の規定にかかわらず、これを証拠とすることができる。
4 鑑定の経過及び結果を記載した書面で鑑定人の作成したものについても、前項と同様である。

第322条 被告人が作成した供述書又は被告人の供述を録取した書面で被告人の署名若しくは押印のあるものは、その供述が被告人に不利益な事実の承認を内容とするものであるとき、又は特に信用すべき情況の下にされたものであるときに限り、これを証拠とすることができる。但し、被告人に不利益な事実の承認を内容とする書面は、その承認が自白でない場合においても、第319条の規定に準じ、任意にされたものでない疑があると認めるときは、これを証拠とすることができない。
2 被告人の公判準備又は公判期日における供述を録取した書面は、その供述が任意にされたものであると認めるときに限り、これを証拠とすることができる。
確かにご指摘の通りと思うし、「検察官から提出された証拠調べ」の段階であろうと思う。

 そして、この証拠調べも公判9回を重ね、外堀的なものから、本質的な核心的な証拠調べの段階に差し掛かってきいるのだろう。

 ここで、弁護人の冒頭陳述を思い起こすと、検察官の「幇助だ」に対して、「起訴そのものが、日本国の国益に反する行為であるといった主旨」の主張をしている。

 公判も9回を重ねてはいるが、まだまだ検察官の証拠調べの段階であり、未だ弁護人の主張や立証はされる状況にはない。しかしながら、弁護人は、「逮捕は国益に反する」を立証するための布石を打ちながら検察官の証拠調べに臨んでいるものと思う。

 しかし、布石は布石と分かってしまえば意味がない。弁護人としても、公判戦略上の思惑もあるだろう。弁護人の立証が待たれる。

 私は、弁護人の冒頭陳述以来、「逮捕は国益に反するといった主旨の主張」に注目しており、今回の裁判の最大の勘所であろうと思っている。弁護人の立証によって、現在の私の考えも変ってくるかも知れない。(私の考えはどうでもよいのだが・・・。)

 ここに至るまでには、もう少し時間が必要なのだろう。

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このページは、弁天小僧が2005年3月22日 21:35に書いたブログ記事です。

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