危険運転致死傷,道路交通法違反,道路運送車両法違反,自動車損害賠償保障法違反被告事件=宇都宮地裁平成16年8月3日判決
「刑事訴訟の仕組み」付録
行為無免許・無保険車両運転、運行供用
対面信号が赤色を表示しているのを同交差点入口の停止線手前約195.1メートルの地点で認め,直ちに制動措置を講ずれば同停止線の手前で停止することができたにもかかわらず,これを殊更に無視し,重大な交通の危険を生じさせる速度である時速約135キロメートルで自車を運転し,同交差点内に進入
青色信号に従い同交差点内に進入してきたA(当時22歳)運転に係る普通乗用自動車左側部に自車前部を衝突させ
Aを前記傷害に基づく外傷性ショックにより死亡させ
Aの同乗者Bを前記傷害により死亡させるに
自車同乗者のC(当時18歳)に全治約3か月間を要する脳挫傷,頭蓋骨骨折等の傷害
自車同乗者のD(当時23歳)に全治約3か月間を要する左足関節内果骨折,右母指中足骨骨折等の傷害
自車同乗者のE(当時25歳)に加療約3か月間を要する右橈骨遠位端骨折の傷害
自車同乗者のF(当時30歳)に加療約3か月間を要する右鎖骨骨折等の傷害をそれぞれ負わせた
事故報告・救護義務違反
結果
- 2名死亡
- 4名重傷
- 懲役18年
- 希有といえる悪質かつ重大事案である
- スリルを味わうためや同乗者に怖い思いをさせたいとの許し難い悪ふざけ目当てに,殊更赤信号を無視する挙に出た
- 本件事故の衝撃は激烈
- 他人の生命や身体に対する配慮を蔑ろにした不埒千万な動機に酌量の余地は皆無
- 落命したA及びBは,高校の同窓として久しぶりに楽しい一時を過ごしての帰途,本件事故に遭遇したものであって,それぞれ,会社員や大学生として希望に満ちた生活を送り,多くの可能性を秘めた22歳と いう若さで,尊い生命を永遠に奪われたものにほかならず,両名の無念さは,察するに余りある
- A及びBの両親の悲憤及び処罰感情は峻烈を極めている
- 被告人は,A及びBの各遺族にはもとより,各負傷者に対しても,見るべき慰謝等の措置を講じていない
- 長期間の服役との重罰を免れたい自己保身のため,同乗者の1人に口止め工作をして,救護等の措置を講ずることなく,逃走
- 中等少年院における矯正教育を受けたことがある
- 被告人は,未だ20代前半と年若く,前科は有せず,父親も情状証人として出廷していることなどの酌むべき一切の事情を十分考慮しても,被告人の刑事責任は余りにも重大
- 上記量刑理由に言い尽くされているか
- 量刑の主たる要素は、行為と結果、しかし、結果が一番か
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