グルーピング1 被害弁償なき詐欺罪(被害金額1000万円以上)の量刑について
「刑事訴訟の仕組み」付録
刑事裁判における量刑は、行為と結果のみならず、被告人の前科前歴、生活状況等犯行に至る経過等の諸事情が斟酌されるべきは当然ではあるものの、量刑の主たる要素が行為と結果であることも否定できない。
- 1
- イ 宇都宮地裁平成15年11月7日判決平成15年(わ)138号詐欺被告事件
現金合計1億9600万円詐取
被害弁償-40万円強
判決量刑 懲役4年6月
- ロ 高松高裁平成15年10月28日判決平成14年(わ)165号詐欺被告事件
合計14億4350万円詐取
被害弁償-殆どなし
判決量刑 懲役4年
- ハ 前橋地裁平成15年6月30日判決平成12年(わ)97号、131号、179号、
194号詐欺被告事件
合計 8900万円詐取
被害弁償なし
判決量刑 懲役4年
- ニ 福岡地裁平成14年9月12日判決平成13年(わ)1291号、同14年(わ)50号、165号、363号、501号、615号詐欺被告事件
合計1500万円以上(累犯前科あり、被害者6名)
被害弁償なし
判決量刑 懲役4年6月
- ホ 千葉地裁平成14年8月2日判決平成平成14年(わ)第277号 業務上横領,有印私文書偽造・同行使,詐欺被告事件
合計8391万5524円
被害弁償-270万円
判決量刑 懲役4年6月
- ヘ 横浜地裁平成14年2月28日判決平成13年(わ)第597号,第1168号詐欺事件
合計 2500万円余(被害者数55名)
被害弁償なし
判決量刑 懲役4年6月
- ト 平成14年2月25日判決平成9年刑(わ)270号等 詐欺被告事件
合計 6億6554万円余(被害者総数35名)
被害弁償 殆どなし
判決量刑 懲役8年
- チ 東京地裁平成13年9月10日判決平成12年刑(わ)第1689号、同第2001号、同第2275号 詐欺被告事件
合計 1057万円
被害弁償 48万円
判決量刑 懲役4年
- 2 検討
- イ 被害金額が1000万円を超える事件については、被害金額の大小は、それほど量刑に影響はしない?
- ロ 累犯前科等は当然影響する。
- ハ 被害者数の多少が、判決に相当程度影響を与えているか。
- ニ 量刑相場は、上記のとおり。
- ロ 累犯前科等は当然影響する。
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