吸収一罪(大は小を兼ねる)
「刑事訴訟の仕組み」付録
- 人をナイフでぶすりと刺し殺す。
- 人を殺す=殺人罪、着衣にナイフで穴を開け、血で染め、使用不能にする=器物損壊罪
- 刑法の構成要件(犯罪の類型)からすれば、上記のようにふたつの犯罪類型に該当し、ふたつの犯罪が成立
- しかし、通常、殺人の場合(方法はいろいろあるけれど)、被害者の着衣を損傷するということは予想されることだから、着衣損壊=器物損壊の点を考慮して、殺人の法定刑は定められていると考えてもおかしくない。
- 器物損壊罪は、殺人罪に吸収されて、独立して成立はしないと考えよう。
- ポイント
- 保護法益(法律が守ろうとする利益)の主体の同一性の有無
- 保護法益の内容
- 通常、想定される範囲内のものかなど
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