私電磁的記録不正作出、同供用、窃盗罪=東京地裁平成元年2月22日判決(確定)
「刑事訴訟の仕組み」付録
行為某技術者教育センターOC及び実習用ATM機等を利用して、プラスチック板8枚の各磁気ストライプ部分に、某銀行の預金管理用の電磁的記録をそれぞれ不正作出
9回にわたり、7ケ所、8銀行等のATM機を作動させ、預金管理事務処理の用に供し
上記各ATM機から合計362万5000円窃取
結果
- 現金362万5000円窃取
- 電磁的記録を不正作出
- 懲役2年6月、執行猶予4年
- 経済観念乏しく、収入に見合わぬ支出をして、サラ金、ローン返済に追われていた
- CPについての専門的知識と技術を使用
- キャッシュカードの構造を解析して、正規の暗証番号と関係なく他人の預金口座から預金を引き出す方法を解明
- 合計362万5000円の多額の金員を窃取
- 勤務するCP関連会社の技術者研修期間中を利用し、実習用の機材を利用
- 女装して発覚防止を企図し、用意周到
- 被害銀行きキャッシュカードシステムの変更を余儀なくされ、人的、物的負担は多大
- 電磁的記録の正確性に対する不安を社会に与えた
- 一般予防の見地から、厳しい処断必要
- 反省
- 被害金額全額弁償済み
- 前科前歴なし
- 処断刑は-包括一罪・科刑上一罪で-10年以下の懲役
- 被害金額が多額
- 行為態様等が悪質
- 被害の大きさ、行為態様の悪質性等が-東京地裁平成元年2月17日判決(懲役1年4月、執行猶予3年)-と異なるか
- それが、量刑上の差違に現れているか
- このふたつの裁判例から、電磁的記録不正作出、供用、窃盗という犯罪についての、ある程度の量刑予測が可能か
トラックバック(0)
このブログ記事を参照しているブログ一覧: 私電磁的記録不正作出、同供用、窃盗罪=東京地裁平成元年2月22日判決(確定)
このブログ記事に対するトラックバックURL: http://www.ofours.com/cgi-bin/mt/mt-tb.cgi/9