やっぱり疑問。ウイニーを作って広めたわけ

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被告人弁護人は被告人の開発した技術は大変優れたもので、世界に誇れる技術だと説明している。一方、一般の利用者には、単にプログラムのバク取りの協力をお願いしたということのようだ。
個人的に作ったものを、不特定多数のみなさんに、単に使ってもらおうとしたということだろう。「利用目的は、利用者の判断でご自由に。ただし、著作権違反になる利用はしないいように。と言って、使ってもらっている。」そうであれば、確かに、罪に問われる筋合いなどないと思う。

初公判での弁護側の冒頭陳述から
ウィニーにはファイル共有の効率化の実現のために、驚くべき工夫、技術が盛り込まれている。世界の数多くの技術者が開発にしのぎを削る中、被告は独創的な工夫を重ねることによって、独自で高度の機能を組み込んだウィニーを、たった1人で、ごく短期間のうちに開発した。
しかし、どうしても引っ掛かってしまう。被告人は、大学で、情報処理(プログラミング?)に係わっていたようである。いわばウイニーのようなプログラムの開発を専門とする技術者あるいは研究者であったのではないかとも思える。そういった環境にある(立場にある)被告人が、「世界に誇れる技術を、なぜ、極個人的な立場で研究(開発?)しないといけなかったのだろうか。」そして、折角の技術を、論文などにして学会で発表するなりして、世の中に示そうとしないのだろうか。
もちろん、論文やレポートにこだわる必要もない訳で、自分が開発した技術を世の中の人に知ってもらうなり、役立ててもらうために、ソースコードなり仕様書なりプロトコルなどを世に公開して、技術の有用性をアピールし、他の技術者に使ってもらうとか、他の技術者からも英知を集めて技術をシェープアップするといった方法もあると思う。そういった手法を取って開発して、世の中の役に立てているプログラムは幾つもある。いずれにしても、技術者、研究者として、そういった「技術そのもの」を世に示すことをやっていたという話は伝わってこない。
それに、視点は少しずれるが、被告人を支援するみなさんがウイニーを使って情報を共有しながら支援活動をしているといった話も聞かない。
なぜだろう。素朴な疑問でもある。素朴な疑問には、素朴な答えがあるのかも知れない。
ところで、そもそも、今回のウイニー裁判に特に興味を持ったのは、この事件の弁護士の方が、被告人を支援するために開設したブログで、
弁護の意義を見いだしにくい事件が多い中で、
彼を弁護し、表舞台に引き上げることは、
今後のプログラマの開発環境や、日本の国際競争においても
重要であると思っています。
と言っているのを見て、引用した部分の意味が理解できなかったのがきっかけであった。今も理解できていない。ひょっとすると、先の素朴な疑問の答えと関係あるのかも知れないと、おぼろげに感じたりもする。これらの点も含め、ウイニー裁判の中で明らかになっていくのだろうか。ぜひ、明らかになって欲しい疑問の一つでもある。

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このページは、弁天小僧が2004年9月10日 08:29に書いたブログ記事です。

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